生きるススメ(戸田誠二)

ジュンク堂で試し読み用にパックされずに置いてあったのでパラパラっと見て、ちょっと興味惹かれたので買うてみた。
戸田誠二の名前はネットでよく見てたので全く知らない作家というわけではなかった。
最初にネットでみかけたとき、フェアチャイルド戸田誠司と間違えて、え?あの人漫画も描くの?と引っかかったので、名前を覚えた。
パラパラと見た感じで最初に思ったのは、御茶大漫研時代の柴門ふみみたいなかんじかなーってこと。絵が拙くて、どこにもやり場のない自分の気持ちのはけ口を漫画に求めたような作品なんじゃないかなと思った。
読み終わってもまあ、だいたいそんな印象。
ただ、柴門ふみはその時機能していた世の中の仕組みを軽蔑し、嫌悪し、ヒステリックに怒鳴り散らしていたけれど、戸田誠二にはそんなところは全然なく、むしろ愛そうとし、愛おしく思えたものを淡々と書き連ねているような感じだった。
個人の差かもしれないし、時代の差かもしれない。
絵はどろくさいけど、きれいに消しゴムがかかっているかんじ。最初、作品の内容から柴門ふみを思い出したけど、絵だけで言えば、東城和実かなあー。
読んだ感想は、おもしろかった。
ふつうに生活してたら誰でもふと考えるようなことをテーマに、4ページくらいの長さで自分の考えを漫画している。やおいが隆盛する前の漫画の同人誌で、多く見かけたタイプの漫画だと思う。
元はネットで発表していたそうだ。だからネットでよく名前を見るのかー。すごいなあー。
http://www2.odn.ne.jp/~cbh42840/
「生きるススメ」に収録されてたものもいっぱい上がってますねー。
わたしが思わず泣いてしまった、ベジタリアンの子供の話は上がってないのかなあ?
ほんと、すっごいなんでもない話なんですけど、泣きました。なんで泣いたんだろう?自分でもようわからん。
他にも出版されたものがあるようなので、また買おうと思います。